ビジネスマンにとっては戦闘服とも言えるスーツ。
21世紀を越えたあたりから、オシャレなスーツ姿の方が増えてきています。
しかし、スーツのオシャレって難しい・・。という意見も。
確かに、スーツには様々なルールやマナーがあり、オシャレするにも一苦労、という側面もあります。
しかし、スーツの着こなしは一度ルールさえ覚えてしまえば、実はカジュアルファッションよりもよほど簡単。
今日のスーツファッションの生みの親とも言える、George Bryan Brummell(1778 – 1840)の名言に、こんなものがあります。
「街を歩いていて、人からあまりじろじろと見られているときは、君の服装は凝りすぎているのだ」
そう、スーツファッションとは、ジェントルマンとは、奇抜だったり、衆目を集めたりしてはいけないのです。
その代わり、つぶさに観察しても非の打ち所のない - シンプルであって、小粋で、清潔感がある。
そんな服装こそが、ジェントルマンの服装なのでしょう。
ここで勘違いしないで頂きたいのは、世界には様々な価値観があり、ファッションのセンスも多様です。
私がご紹介しているのはあくまでイギリスにおける「ジェントルマン」の話であって、人によってはアメリカ流のラフな「タフガイ」、イタリア流のクラシコのような服装が好きな方も当然多数いらっしゃいます。
また、同じ「ジェントルマン」でも、亜流のフランス式「ジェントルマン」は、むしろ華美にこそ価値を置きます。
はなしが反れてしまいました。
それでは誰でも簡単に出来る、イギリス式ジェントルマンのスーツの着こなしのチェックポイントをご紹介しましょう。
第一に清潔

まず、最も大切なのは清潔さです。髪は多くの人から好感が持たれる様にし、スーツには埃なく、シャツは真っ白で糊が利いていて、靴下は当然穴など開いていてはいけません。女性の男性に求めるファッション意識の調査では世界共通して第一位に清潔さがくるそうです。それほど、清潔さとは重要なんですね。
匂いも、極力抑える事が必要です。当然、香水も含めて、です。
また、長い髪や派手目なスーツを着る場合は、他の部分で徹底的に清潔さを出していけば、さほど悪印象は持たれません。
例えば、糊を固めに効かせる、靴を磨き上げる、などです。
イタリア人には、短髪の方が非常に多いですが、ファッションが派手な分、清潔感をとても大事にしています。
実質的な事も大事ですが、見た目の清潔感もまた、大事なのです。
スーツ

スーツは、ブランドやデザインよりも生地の質、生地よりもサイズで選びましょう。非常に立体的なパターンを持つスーツでは、サイズこそ命です。パターン・オーダーでも良いので、オーダースーツが望ましいでしょう。
確かに有名なブランドや良いデザイン、高品質な生地は所有欲を満たしてくれます。しかし、それは人から「良いもの着ているな」と思われる事さえあれど、「カッコ良い着こなしだな」と思われる要因とはなり得ません。
オーダーでなくても、何度も試着を繰り返し、妙な皺がでない、自分に会ったスーツを選びましょう。
ネクタイ

ネクタイは安価なものなら百円で買える時代です。しかし、ネクタイほど値段が品質に影響するものも無いでしょう。とはいえ、高いものを買えば良い、というわけでもありません。しなやかで、丈夫な生地を選ぶのがポイントです。
詳しくは書きませんが、「レジメンタルタイはしてはいけない!」と語る方もいますが、実際問題、世界中のどこへ行っても、レジメンタルタイを付けていて恥を掻く事はありません。
スーツ初心者の方は、スーツと同系色か反対色を選ぶと安心です。ただ、同系色の場合は、色味は薄くするなり濃くするなり、違うものを選びましょう。
ただし、ネクタイはTPOさえわきまえれば、遊び心があっても良いと思います。もっとも、これは個人的な意見ですが。
シャツ

シャツの基本は、白です。上から下まで、真っ白なシャツこそ、もっとも使い勝手が良く、スマートなシャツと言えるでしょう。最近はフレンチカフス等が人気ですが、普通のシングルの袖で構いません。
シャツ選びで間違える事はあまりないと思いますが、着て透ける様な生地や、ボタンダウンのシャツは避けましょう。
また、シャツは毎回(もしくは定期的に)クリーニングに出さないと、日に日に清潔感が無くなっていきます。最も清潔感に影響を与えるだけに、注意しましょう。
シューズ

革靴は、革底のものを選びましょう。今では様々な機能的な靴が出ていますが、スーツスタイルの基本は黒革のストレートチップです。
ビジネスとして許されるものはせいぜいローファーまでで、年配のサラリーマンの方が履いているような登山靴などは見苦しいです。
ブーツなども止めた方が良いでしょう。
実際のところ、ストレートチップやプレーントゥが、無難です。
ただし、履き終わったらすぐ(1日置いたほうが良い、など諸説ありますが)シューツリー入れ、定期的にワックスを落とし、磨き、しっかりと手入れしながら履く事が重要です。
「格好良い靴」ではなく、「格好良いスーツスタイルに相応しい靴」を選ぶようにすれば、人の印象もアップします。
バッグ

バッグは革製で、しっかりとしたそれなりの物を。日本産皮革・日本製で3万円以上が目安です。それ以上であれば、恐らく手入れさえすれば10年、使えるでしょう。また、皮革製品は良い物を手入れしながら使うと、独特の「品」が生まれます。黒か茶系の、愛着を持てるバッグを一つ、持ってみてはいかがでしょうか。
時計

時計はある程度フォーマルな所にも付けていける、革バンドの物をオススメします。金属バンドは良くも悪くも「アジア人的」です。金属バンドの時計の多くに「スポーツ的」なネーミングが与えられている事からも分かるように、本当はスーツスタイルにはそぐいません。
しかし、日本で文句を言われる事もないでしょうから、好きなものがあるなら構いません。ただ、清潔さだけは忘れないで下さい。
アクセサリー

スーツにネックレスやブレスレットといったアクセサリーは必要ありません。リングも結婚指輪以外はすべきではないでしょう。
ポケットチーフ

ポケットチーフは第二次大戦後、見向きもされないようになりました。しかし近年人気が復活し、注目されているのが、ポケットチーフです。
ポケットチーフはまさに玉石混合で、本来ポケットチーフと呼ぶことも出来ないようなシロモノまであります。
詳しくはポケットチーフの選び方でご紹介しますが、基本的には、臨機応変に挿し方を換えたり、または外したり出来るので、オシャレを楽しみたい方にはとても便利なアイテムとなるでしょう。
