ポケットチーフとは


ポケットチーフとはなんでしょうか?
知らない方もまだ多いと思いますが、簡単に言うと、スーツの胸に挿すハンカチです。
ハンカチではないだろう!とお怒りの方もいらっしゃるかもしれませんが、いえ、ハンカチなのです。
そもそも、ハンカチの事を誤解している方が非常に多いですが、一般人が手を拭くのに使われる様になったのはつい最近。
ハンカチと言えば大きさを法律で決めてしまったマリー・アントワネットが有名ですが、彼女の時代、ハンカチは美しい刺繍で彩られた、一種のアクセサリーだったのです。
つまり、現在使われているハンカチの先祖はハンカチでなくて、雑巾の様なものです。
ポケットチーフの先祖こそ、ハンカチなのでしょう。

ポケットチーフが紳士の胸ポケットに定着したのは、19世紀も終わりに差し掛かる頃でした。
現在の形のネクタイよりも、ホンの少しだけ後輩にあたるわけです。
ただし、ポケットチーフもネクタイも、紳士には欠かせないアイテムとなったのです。
当時の紳士達は、外出する際、ポケットチーフなしで出歩くなど、考えられない事でした。
今で言えば、銀行員がネクタイ無しでは出社出来ない、というのと同じレベルでしょうか。

それほど、ポケットチーフが重要な頃があったのに、廃れたのは何故でしょう?
最も大きな影響は、アメリカ的なラフ・スタイルの流行でしょう。
そして世界中でポケットチーフは結婚式ですら忘れ去られるほどに、衰退していきました。
しかし、ポケットチーフにも救世主が現れます。

イタリアンクラシコと言われるトレンドが世界中で流行し、ポケットチーフもその中に取り入れられました。
それからはそう、まるで思い出したかの様に、世界中の紳士達がビジネスシーンにポケットチーフを取り入れるようになりました。
コレが20世紀末です。
少し遅れて、ついに日本でもポケットチーフが市民権を得て、特に東京ではポケットチーフの着用率が日に日に高まっています。

ポケットチーフが無かった頃、スーツスタイルで遊べるポイントは、ネクタイくらいしかありませんでした。だからこそ、百貨店に意味不明なプリントのネクタイが並び、派手な時計が幅を利かすようなファッションが根付いてしまったのでしょう。
しかし最近では、ネクタイも時計も本来の役目でない、「華やかさ」という重圧から開放され、本当に素敵な物が並んできています。

ポケットチーフの再登場と共に、世界中のビジネスマンが、オシャレになりつつあるのです。
現代において、ポケットチーフも時計も、ひょっとするとネクタイさえ必須ではありません。

しかし、せっかくのスーツスタイルを、楽しまなければ損だとは思いませんか?
まだ使った事がない、という方は、安物でも良いので、一度試して見て下さい。